• 黒蜜

第7回 【薬物治療の全体像と気分安定薬】 ネット心理教育 双極症

最終更新: 1月22日




こんにちは。今回も心理教育キャスを聞いてくださってありがとうございます! 「ネット心理教育」の布団ちゃんです。

そして、作業をお手伝いしている黒蜜です。

最近、ネット心理教育のYouTubeチャンネルを作りました。



これまでの仕様では録画が聞きづらかった方、聞き逃した方、(そして入眠前のおやすみラジオとして)ご利用ください。



今回は、2020年2月16日 21時からお届けいたしました、ネット心理教育 第7回「薬物治療の全体像と気分安定薬」についての記事です。



YouTubeでの録画はこちらから。



全21回のうちの7回って、時が経つのは早いですね。



目次

  1. エビデンスとは?

  2. 双極症の治療

  3. 躁/軽躁状態の薬物治療

  4. うつ状態の薬物治療

  5. 維持療法の薬物治療

  6. 気分安定薬の比較

  7. 最後に



1.エビデンスとは?




まずはエビデンスって何? ということの説明がありました。 エビデンスの概念は深く広いですが、 エビデンスとは治療に関する科学的な裏付けであることの説明が、最初にされました。 科学的な裏付けとは具体的に言うと、統計などの信頼できるデータがあり、誰がその治療を行ってもその治療には効果があるということを指します。



そのエビデンスに基づいた治療の方針をまとめたものとしての「ガイドライン」が紹介されました。 ガイドラインは例えば双極症では、「日本うつ病学会 双極性障害治療ガイドライン」が挙げられます。



今回の話も、この「日本うつ病学会 双極性障害治療ガイドライン」に基づいて行います。



そして大切なこととして強調されたのは、 いまの治療が効果があるのであれば、その治療法を継続しましょう! という点です。 ガイドラインと違う治療でも、自分に合っている治療であれば「エビデンス」によってその治療が否定されることはないということです。



2.双極症の治療


双極症の症状がひどいとき、つまり躁/軽躁状態うつ状態のとき、そして、安定状態のときどんな治療の選択肢があるかがガイドラインに書かれています。





治療としては主に気分安定薬と抗精神病薬や用いられます。 気分安定薬は、上がりすぎている気分を真ん中あたりまで抑えたり、下がりすぎている気分を真ん中あたりまで上げたりすることで、気分を真ん中に保つお薬です。




3.躁/軽躁状態の薬物治療


まずは躁/軽躁状態のときの治療の選択肢を紹介します。



非定型抗精神病薬とは、リスパダール以降の抗精神病薬のことを指し、セロクエルやジプレキサなどがあります。



いままで抗精神病薬は、気分安定薬と組み合わせて飲むことが推奨されてきました。双極症といえば気分安定薬、というイメージですね。



しかし、ここ2~3年で治療法は進化していて、非定形抗精神病薬のひとつであるエビリファイだけで安定させようという治療が出てきました。



エビリファイには注射があって(LAI)、その注射をお尻や肩に打つと4週間その効果が持続するのです。



これは双極症の新しい治療法の流れです。 毎日のお薬を飲まなくて済むのは、とても楽になりますね。



コメントで「エビリファイの注射は高いのか?」という質問が出ましたが、とても高いので自立支援などをうまく活用してください。



3番目に推奨されている治療法として、気分安定薬2剤以上という記載があります。最近では、抗不安薬などでは同じジャンルでの併用は避ける方向に進んでいますが、気分安定薬に関してはどうなのでしょう?



答えとしては、気分安定薬に関しては例外です。 気分安定薬は2種類、場合によっては3種類を組み合わせることで、より効果が上がる、または組み合わせることで、それぞれの薬でカバーできない部分を補うということで、推奨されています。



そしてECTとは電気けいれん療法のことです。 麻酔をした上で、電気で頭部を刺激する方法です。昔からある治療法で、薬物治療などでどうしても治らない患者さんに使われることがあります。 ECTは保険適応内なのですが、麻酔科医と精神科医が居ることが前提なので、診療所ではなく病院で受けるものと言えるでしょう。



注目なのはラミクタールが赤字でバツがついていますが‥? ラミクタールは、うつを上げる効果はありますが、躁を抑える効果はないので、躁/軽躁状態には推奨されません。






4.うつ状態の薬物治療




先程紹介したラミクタールですが、うつを上げる効果があるので、うつ状態の薬物療法では推奨されています。


抗うつ薬に関しては、古いタイプの抗うつ薬である三環系抗うつ薬の使用は、双極症においては良くならないばかりか、躁転のリスクがあるので避けます。


また、SSRIなどの新しい種類の抗うつ薬に関しても、抗うつ薬だけでの使用は同じ理由で避けたほうがいいとされています。


この点については、医師により論争がある部分で、双極症のうつのときに一時的に抗うつ薬を使っていいという考えの医師も居るし、絶対に双極症には使わないべきだという医師も居ます。国際的にみても議論中です。



同じように見える双極症のうつ症状とうつ病ですが、治療法は違うんですね。




5.維持療法の薬物治療



睡眠についての話にコメントの流れでなりましたが、最近では睡眠薬(抗不安薬)の依存性が問題になっています。

そこで、ロゼレムという名前のメラトニンと同じ働きをするお薬が、眠れないときに推奨されてきています。

メラトニンとは日が沈むと出るホルモンで、人間の身体に「いまは夜だ」と知らせる効果があります。