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第9回【抗うつ薬】ネット心理教育 双極症

更新日:2021年1月22日




こんにちは。今回も心理教育キャスを聞いてくださってありがとうございます! 「ネット心理教育」の布団ちゃんです。

そして、お手伝いしている黒蜜です。



今回は、双極症に抗うつ薬を使うことについて解説します。

抗うつ薬は、うつ病やパニック症、神経症に使うお薬です。

抗うつ薬を双極症の抑うつ状態に使うということについて考えて見たいと思います。

それでは本題に入ります。




抗うつ薬について


それではまず、抗うつ薬の分類を紹介すると、 三環系抗うつ薬、SSRI、SNRI、それ以外に分けられます。



それぞれの特徴は‥


三環系抗うつ薬:作用が鋭いが、副作用(便秘、口が渇く、排尿困難)もある


SSRI:セロトニン(不安に対して気持ちを穏やかにする神経伝達物質)を増やす抗うつ薬

SNRI:セロトニンとノルアドレナリン(意欲を高める神経伝達物質)を増やす抗うつ薬



それぞれの分類の具体的な薬がいくつか書かれているので、スライドをご覧ください。


新しい薬のほうが副作用が軽いのか、という質問が思想くんから出ましたが、比較的新しい薬であるSSRIでは「退薬症状(離脱症状)」が起こってしまうという点があって、一概にそうは言えないという説明がされました。


また、その他に分類されるデジレルでは、抗うつ作用が表れるよりももっと少ない量で眠くなる作用が出るので、睡眠薬の代わりとして使われることがあります。




うつ状態の薬物治療


日本うつ病学会のガイドライン(科学的な裏付けに基づいた治療の方針をまとめ)では、三環系抗うつ薬(トフラニールやアモキサンなど)の使用は推奨されていないです。


※ガイドラインについてはこちらの記事から


SSRIに関しては単独では使わず、リーマスやラミクタールに足して使うことが推奨されています。

赤い文字でバツと書かれていますが、抗うつ薬がいま現在出されている方もいると思います。抗うつ薬の使用は禁止(禁忌)なのでしょうか。 → 禁止(禁忌)ではないが「推奨されない」というガイドライン独特の表現がされています。


ガイドラインにはこのように記載されていますが、現在抗うつ薬を併用し、効果があって副作用が気にならないのであれば、特に問題ありませんのでそのまま服用を続けてください。




抗うつ薬を服薬したときのリスク


双極症のひとが、抗うつ薬を服薬したときのリスクは以下のとおりです。


・躁転・軽躁転する(躁状態・軽躁状態になる)

・ラピッドサイクラー化する(1年に4回以上、躁・軽躁と抑うつエピソードを繰り返す状態)

・自殺のリスクがある(SSRIではうつ病でも自殺のリスクがあり、未成年には禁忌となっています)

・効果がないというリスク(これに対しては、効果が上がるひとも居るということで、SSRIを使う医師も居ます)




うつ状態で抗うつ薬を使用していいか


今回の結論です。


実は双極症のうつ状態に対して抗うつ薬を使っていいのかに関しては、世界的に議論中です。


使うべきではないという考えの医師は、1.効果が上がらない点、2.自殺や躁転、ラピッドサイクラー化のリスクがある点を主張していて、


使ってよいという考えの医師では、双極症であっても、うつ状態で治療の効果がなかなか上がらないときには一時的に使ってもよいという考えを持っています。



最近の流れとしては、うつ状態に効く抗精神病薬の登場で、抗うつ薬が必要とされる場面は減少傾向にあります。



最後に


今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

今回はいかがでしたでしょうか?


【ご案内】2021年1月22日更新

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