第11回【妊娠と遺伝カウンセリング】ネット心理教育 双極症

最終更新: 1月22日


こんにちは。今回もネット心理教育のツイキャスを聞いてくださってありがとうございます! 「ネット心理教育」の布団ちゃんです。



ネット心理教育公式ホームページとブログをよろしくお願いします。


ということで本題に入ります。

先日のネット心理教育では、お薬を飲みながら妊娠を希望する場合どんなことに気を付けたらいいのかなどを話しました。




妊娠時期による胎児への影響


まずは精神科の薬に限らず、薬全体が妊娠中に赤ちゃんにどのような影響を与えるかについてです。


その前に「妊娠週数の数え方について」を紹介しました。どの時点から妊娠と言うのかについての確認です。



妊娠週数は最終月経の開始日妊娠0週0日として数えます。

そして、最終月経開始から14日後あたりに排卵が起こり、受精して、着床して、妊娠の成立です。


妊娠1ヶ月:薬の影響はほとんどありません。赤ちゃんの身体の器官の形成は開始されていない時期です。

妊娠2ヶ月:妊娠4週から7週末までは、赤ちゃんの脳や神経、心臓、胃腸、手足などの重要な臓器が形成される大事な時期です。

薬は、治療上不可欠なものに限って使い、赤ちゃんにとって、奇形を引き起こす可能性が低い薬を選ぶことが必要です。

妊娠3~4ヶ月:薬を慎重に使う時期です。

赤ちゃんの重要な身体の器官の形成は終わっていますが、赤ちゃんに奇形を起こす薬に関しては慎重であったほうがいいです。

妊娠5ヶ月以降:器官の形成は終わり、奇形の心配はまずありませんが、安易に薬を飲むのは避けましょう。



奇形や遺伝について


生まれつきの奇形の、薬に関係のない元々のリスクは5%くらいと言われています。

それに対して、薬が原因となった異常は1%未満であると考えられており、薬の影響について、過度に怯える必要はないです。

必要な薬は医師がみている上で、きちんと飲むほうが大切だと言えます。


次は遺伝についてです。

双子の研究などから、遺伝はしますが、双極症のひとの子どもが100%双極症になるわけではないことが分かっています。

また、双極症の遺伝に関しては、複数の遺伝子が関わっていると言われています。


ここからは精神科の薬に関わってくる内容です。

非定型抗精神病薬は代謝異常・体重増加が生じるのでモニタリング(体重測定や、血液検査)が必要、ということについてです。

薬自体が奇形を引き起こす可能性とは別の問題として、太り過ぎることによる赤ちゃんへの影響もあります。ですのでそこをきちんと管理していくことが重要です。


妊娠におけるリスク


薬をやめた場合には、双極性が悪化したり、エピソードが起こってしまうリスクがあります。

1. 妊娠が分かって、急に薬を中断をすると、再発したり悪化するリスクが高まります。

薬によっては妊娠中に使わないほうがいいものもあって、妊娠がわかった時点でやめる薬もあります。薬によっては中止・中断しなくてはいけないということです。

双極症の女性が妊娠中に服薬中止した場合の再発率は高いという報告もあります。

2. 反対に、薬をやめなかった場合には、薬によってはお腹の子どもに影響が出るリスクがあります。



薬の影響

奇形を引き起こす可能性の低い薬に変えていく必要があるのですが、薬によっては、始めるとき少しの量から始めなくてはいけなかったりするので、なるべく! 妊娠前から、妊娠に向けた薬にしていくことが大切です。

リーマスやデパケンはそれぞれ、心臓と脊髄の奇形を起こすリスクがあると言われています。

どんな薬に切り替えていくのがかなというと、ラミクタールや抗精神病薬などが多いです。

また、葉酸という栄養を多めに摂取することで、赤ちゃんの奇形の確立を下げることもできます。




出産後のこと


赤ちゃんが無事に産まれたあとの話です

再発のリスクが最も高い時期は、妊娠中ではなく、出産直後です。

出産前に治療を受けたことがない人の50%に、出産後、エストロゲンというホルモンの低下によって、躁またはうつ病エピソードが見られます。

元々治療を受けていて、妊娠中治療が中断されている場合には、出産後早めに治療を再開することが大切です。


お母さんが薬を飲むと、薬の種類によってはその成分が母乳のなかに入って、赤ちゃんが飲むことになってしまいます。

その一方で、産まれたばかりの最初のお乳(初乳)に含まれる成分には、免疫を強くするなどのメリットもあります。

この点は、産婦人科医の考え方にもよると思うので、相談してみてください。


この時期は、心理学的にもスキンシップが重要と言われていますが、授乳に限らず、赤ちゃんとのふれあいを楽しむことが大切になってくると思います。



相談先と情報


妊娠と薬に関しての不安に対して、相談できる先を持っていたり、正しくて新しい情報などを得られるようにしておくと安心ですねというスライドです。

上に書いてある国立育成医療研究センター「妊娠と薬情報センター」では妊娠前から薬情報提供や相談ができます。HPも充実しています。

パートナーの男性が使用した薬についての相談も受けているとのことです。


全国51協力病院で「妊娠と薬」外来もあって、その一覧もHPから見られます。



まとめ



今回のまとめです。

妊娠について、子どもを作ろうと考えたときはまず、夫婦で話し合い、精神科医と産婦人科医に相談、そして、服用薬を調整していきましょう。

妊娠に気づいたときには、また話し合いと相談、薬の調整を、改めてします。

出産前後には、母乳か人工乳かを話し合い、相談し、決めていくことになります。


ということで今回は、主に薬に焦点をあてて、妊娠と出産の付近に気を付けることなどをお伝えしました。




最後に

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

今回の心理教育キャスはいかがでしたでしょうか?



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次回配信は、今日2020年2月17日の21時から、アンケートとクイズの結果発表と日曜日のおさらいをします。